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2005年6月

2005年6月28日 (火)

かじき釣り

ここんとこ、ずーっとカーステレオに入りっぱなしのCD。クラムボンのボーカル、原田郁子さんのソロアルバム、「ピアノ」から、アルバム3曲目「かじき釣り」です。


piano

これは、大げさにいえば叙事詩と言えなくもない、7分ほどの曲。とある女の子がかじき釣りに港へ行き、そこで出会った船長と電撃結婚するというストーリーです。
この系統の曲って、何ていうんだろう。ラグ?ジャグ?ウオッシュ・ボード?ほら、洗濯板を胸につけて、両手に指輪をはめて、板をこすってリズムを作るやつです。よく、大道芸なんかで、ひとりでいくつも楽器をやる芸がありますけど、あんな感じです。「クァシュ!」と軽やかに鳴る、おもちゃみたいなシンバルの音がむっちゃ可愛い。
そして、詩も、すごく映画的で楽しいんですよ。船出のあと、船長が弁当を忘れてしまったのに気付くシーンの直後、唐突に「大海原にはためくボーダー」(シャツでも船に干していたのか?)という描写があり、呆然とする船長の気持ちを表したりします。すごく長い曲の割に曲の展開は単調なんですが、飽きずに聞いていられるのは、演奏自体のうきうき感と、歌詞のおもしろさかな。

で、この曲、最後は二人が結婚して終わるのですが、その理由はぽっこり歌詞から抜け落ちています。

ストーリーをちょっと見てみましょう、、、、、
港での船長との出会い~弁当を忘れた船長~女の子がツナ・サンドをあげる~船長よろこぶ~夕暮れ、かじきが竿にかかる~船長、男らしくふんばり、いいとこを見せる、、、、、
このあたりのストーリーが「釣れるかな、釣れるかな、こわくて楽しいかじき釣り」というサビに挟まれて物語られます。まあ、要するに、女の子がかじきを釣るストーリーと、女の子が船長を釣るストーリーが同時に進行しているわけですね。
ところが、歌では、ここから時間がとつぜん飛んでしまいます。
テンポもスローになったところで、女の子は、「そんなこんなで港に帰り、3日後、船長と結婚式をあげた」と語りだします。そうなった経緯については「そんなこんなで」だけなんですよね。
二人の間に何があったんでしょうか??

カーステでくりかえし聞いた結果、ついに答えを見つけました。

私が「海原でおぼれたらあのひともう一度とびこんでくれるかな」
ということで、「もう一度」というぐらいだから、たぶん、この女の子は、かじきに引っ張られて海へ落ちてしまったんですね。そこで、船長さんが飛び込んで助けようとしてくれた、と。

でも、「王者のくせに本当はカナヅチ」なので、船長さん、溺れたんですね。
で、「船長のひげ、ホントはつけひげ」ということは、海から上がったらひげが落ちてたんですね。
女の子は、カッコつけなんだけど憎めない、そしてやさしい船長さんにほれちゃったのかな、と、想像は膨らみます。


クラムボンの原田郁子のソロアルバム、名曲ぞろいです。かなり傾向の違う曲が一枚に収められています。
実は、「かじき釣り」は例外的に楽しい曲。あとの曲は、たとえて言えばデビッドボウイの”Five Years”のように、終末感がただよいまくり、自閉しまくり。でも、私としては、そういう静けさに浸りたい気分の日も多かったりして。結局、全曲好きということになってしまうわけです。

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2005年6月26日 (日)

ハイカラな声

とあるバーで、ボサノバのアルバムがかかりました。
誰でしょう?とマスターに聞かれて、うーん、カエターノ?
でも歌い方にコクありすぎ。誰かなあ、と思ったら、答えはなんと南佳孝。
bluenude

Blue Nude

そういわれれば南佳孝さんの声に間違いないのです。
一つ一つの音をかなりコントロールして歌っている感じが、すごい。「芸」って感じです。

正直言って、今まで南佳孝さんを少しバカにしていたかも。
「モンローウオーク」なんて、いい曲なんですが、どこか声を無理して作ってて、それがかっこ悪く感じたものでした。ところが、外国の歌をうたっているぶんにはその不自然さが全く感じられないんです。こんなもんだ、と、どっかで納得できちゃうというか。

そういえば、昔のブルータスのボサノバ特集でも登場していたけど、
ほんまもんのブラジル好きらしいですね。

という伏線があって、CD屋に寄ったら、昔細野さんや坂本さんとやったボサノバ、サンバアルバムを発見!
CD選書で1500円!

southborder
"South of the border"

細野さんのスチールパンの音が最高に気持ちいです。でも、これは日本語なのが引っかかるんです。

やっぱ、意味がわかんないほうがありがたみが湧くのかな???.

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2005年6月12日 (日)

悪癖を言葉にするノウハウ。

またまた、久しぶりにチェロのレッスンです。3週間というもの、全く練習できず、昨日の夜あわててちょっとおさらいしたのですが、やっぱりその程度ではダメですね。でも、先生はよく分かっていて、何にも言われませんでした。それでも、まあ、ちょっと気がとがめました。

相変わらず音程悪し。ということで、また音程修正講義が始まりました。
よくもまあこんなに、身体の癖を修正するノウハウがきちんと「言葉」になっているなあ、と感心しました。

今日は、第一ポジションと似たポジションを区別するという練習です。人差し指を下げるポジションと、2指以降を上げるポジション、そして、全体を半音下げるポジション、それから普通の第一ポジションの4つです。
これを区別するには、左手親指がどこにあるか、と、左手の親指と人差し指(と中指)の位置関係を意識すればよいということ。考えれば全くその通りのことです。が、あいかわらず、先生の言葉は、無意識に体がどう誤解しているのか、そして、それを意識的に直していくにはどうすればいいのか、を知り尽くした、ナイスなサジェスチョンです。

先生は、第一ポジションは一番音程をとるのが難しいんですよ、と慰めてくれました。なぜなら、第一ポジションの親指位置だけは、まったくのあてずっぽうだから。

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2005年6月 9日 (木)

コパカバーナという響き。

ブラジルのミュージシャンの歌声を聞いていると、めまぐるしいほどの「意識のスピード」を感じます。多分、彼らの頭の中は普通の人の3倍、5倍のスピードで回転していて、彼らから見ると、常人はほとんど止まっているように見えるんじゃないだろうか。

最近、2曲続けて「コパカバーナ」、ということばを織り込んだ歌を聞きました。

otto


Otto/ Samba Pra Burro
"Bob"

celsofonseca

さらに、
Celso Fonseca,Ronaldo Bastes / Sorte
"Fato Banal"


「コパカバーナ」の、「コ」「パ」「カ」「バ」の音は、それぞれ「立って」聞こえる発音です。これを、絶妙なタイミングでメロディーに乗せているのですが、それぞれの音のアタックから強弱、そして消え方に至るまで、一音一音違う!!
さらに、そう意識しながら聞くと、もっとゆったりした単語のときは、一音の中でさらに細かく息を抜いたり、鼻にかけたり。これをきちんと聞いていると、へとへとになってしまうぐらいテンションがあがってしまいます。

逆に、曲自体のテンションは緩やかな美しいメロディーだったりするのですが。

これって、ジョアン・ジルベルトのうたにも感じることです。
聞き流せば流せるけど、聞き込んだ後はへとへと、、、、。


変な比喩かも知れないけど、たとえば微分曲線。
多元方程式に一つ一つ数字をほおり込み、計算をして一つの”点”を決め、また膨大な計算をして”点”を決め、、、、。こうして生まれた無数の点をつなぐと、美しい曲線が生まれます。その曲線だけを見ると、限りなく滑らかに波打っているけど、部外者には計算の過程は見えない、、、、。

そういえば、梶井基次郎に、高速で回転している独楽が静止して見える、そのスピード感について触れた文章があった気がする(小林秀雄??誰だっけ)。こっちの方がわかりやすい比喩かも。

書いているうち、音楽というのは多かれ少なかれ、そういう秘教的というか、神秘的な側面はあるよなあ、とひとりごちてしまったのですが、それにしても、ブラジル人の歌声、特に男性にそう感じさせるものが多いのは事実なんです。

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2005年6月 5日 (日)

1時間、100円。

息が止まるほど忙しかった2週間。
このブログは無理無理でも更新しようという意志が(最初は)あったのですが、ダメだこりゃ、と、あきらめてからはや1週間経ちました。
とはいえ、CDは買ってました。5枚で500円セールで、”ソフィー B ホーキンス”のセカンド、ラッパ我リヤ、モダンチョキチョキズ、オルケスタ デ ラ ルスのファースト、あと、これは全然知らない日本のユニット”リアルブック”を買いました。

それぞれ、1時間前後の収録時間なんですが、このペースで買っていると、本当に丁寧に聞き込むことなくCDが増えてゆくばかり。

それぞれのCDの感想はまたいつかまたきっと書くとして。
一枚のCDの制作にかかったであろう膨大な手間とエネルギーと時間を考えると、ぞんざいに聞くのもなあという気分を新たにしました。特に「ラッパ我リヤ伝説」。

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