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2006年6月 6日 (火)

深淵のルンバ

しばらく更新をサボっていました。
実は、先週2週間ほど18時間労働、時々徹夜、という状況が続いていて、更新どころではなかったのです。
無理無理にでも更新することに意義がある、とも考えたのですが、体が追いつかないのと、自分が面白がってないネタで更新してもなあ、というのと、本当に音楽を聞く精神的余裕がなかったのと、などなどと理由をつけて結局サボっていました。

まあ、これからも忙しいことはあると思うので、そういうときは休み休み、更新していきます。


さてさて。


そういう忙しい日々が明けた先週土曜、今度は扁桃腺を腫らして、あと、唇に吹き出物もできて、なんかへこんでいたときに、久しぶりに引っ張り出して聞いた音楽がこれでした。

ニューヨーク前衛サルサ(?)の雄、キップ・ハンラハンがディレクションした”ディープ・ルンバ”です。

かなり前、ここでちょっと触れた、サルサ大好きのバーのマスター曰く、「マフィアに借りたやばい金を元手に、ミュージシャンがやりたい、でも売れないサルサをやった人」。

確かに、キップはサルサの世界の学究肌、かつ前衛なので、聞いていても踊りたくなるような楽しさはないけど、リズムに溺れることの冥い悦びに満ち満ちています。
全編、パーカッションの嵐。中ジャケでは、5人のパーカッション奏者に囲まれた2人のヴォーカルが打楽器とボーカルがステージに立っていますが、本当にパーカッションとヴォーカルが主人公のアルバムだと言ってもいいでしょう。ギターやピアノなどの和声楽器はほとんど聞こえません。
歌とタイコは、よりそうのではなく、むしろ戦って主役を競りながら、曲を壊すぎりぎりのところで、作品として成立させています。

例えば、2曲目の”medley: Robby and Negro Opening Time/Pensamiento”。
メドレーの前半はパーカッションのみの饗宴。そして後半、「ペンサミエント(想い)」はヴォーカルが入るのですが、これが変な曲なのです。
パーカッションはテンポを落とさず、激しいリズムで叩き続けるのですが、それとは一見なんの関わりもないリズム(のように聞こえるんです、これが)で、バイオリンとヴォーカルが、ゆったりと恋の歌を歌い上げます。
これ、一応結構聞き込んだつもりなのですが、どういう構造でリズムと歌が合っているのか、今ひとつわかりません。全く違う二つの曲を同時に流しているような、そんな感じです。

このアルバム、年に一度ぐらい、無性に聞きたくなる時があります。

紹介したアルバムの曲は、多分ほとんどがライブ収録。曲によっては、ボーカルがキメを間違えたのをそのままOKにしているものもありますが(Quimbara 2000)、その熱気は凄いです。


でも、こんな聞き疲れしそうな曲を、よくあんなへろへろで心地よく聴けたなあ、と自分に感心。


で、今もまだ、唇のできものがなおらないんですよ。と、つげオチ。

すいません、最後意味不明で。(つげ義春「李さん一家」参照)

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