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2007年4月25日 (水)

図書館の残響~ベルリン・天使の詩~

ふう。

といきなりため息をつきつつ、久しぶりのログイン。

忙しいという予感はしつつ、少しは更新できるだろうとたかをくくっていたのですが、大嵐がいくつもやってきて、とてもとてもそんなわけにはいきませんでした。

まずは、ゆっくり画面に向かう環境を作っていかないとだめだなあ。時間的にはそろそろ余裕が生まれる時期になってきましたが、もろもろの残響がココロに残っていて、リハビリには時間がかかりそうです。



ヴィム・ヴェンダース監督の映画、『ベルリン・天使の詩』のサントラです。
ドイツ語では"Der Himmel über Berlin"、英語では"Wings of Desire"、フランス語では"Les Ailes du désir"と、各国いろんなタイトルがついていて紛らわしいですね。ドイツ語では「ベルリンの上の空」、英語、フランス語では「欲望という翼」、、、、こいつはちょっと即物的な感じがします。が、ストーリーには"Wings of Desire"の方がマッチしているんだなあ、そういえば。
そう、これは、天使が「愛」という欲望に取り付かれた話なのです。

昔むかし、西と東に分かれていた頃のベルリンに、年をとらず、永遠に人の悩みに耳を傾け、神様に報告するのが仕事の天使たちがいました。ところが、この天使の一人がサーカスの空中ブランコ乗りの女の子に恋をし、天使をやめる決心をします。永遠の命を与えられた天使より、死する人間の方がいいと決心して、人間になった天使。

天使が羽根を失い、人間になったところで、映画は急にモノクロから一転してカラーになります。人間になった天使が、屋台のコーヒーを飲んで、「アッチ!熱いよ!熱いんだ!!」と、「熱い!」という感覚の新鮮さに喜んで変な顔をされたり。頭を何かにぶつけて、血がにじんで、その血が赤いのにまたよろこんで(なにしろ今まで白黒の世界にいましたからね、、、)これも屋台の主人に怪訝な顔をされるのではなかったかなあ(なにしろ20年前の記憶なのでかなり曖昧です)。

ピーター・フォーク(刑事コロンボのあの人ですね)が、実は同じようにして地上に降りた元天使だった、なんてエピソードもあった気がしますが、ディテールは忘れてしまいました。。。。

前半は陰鬱なシーンの連続なんですが、今心に残っているのはむしろその陰鬱な空気感のほうです。ベルリンに実在する巨大な図書館で、いろんな人がいろんな本を読んでいます。確か、天使は人間の額に頭をつけるとその考えていることが聞こえることになっていて、戦争の経験を思い出しながら本をよんでいるおじいさんの考え、苦悩を声としてじっと聞いていたシーンがありました。

私がサントラをわざわざ買ったのは、この図書館のシーンの音響の見事さからでした。

まさにカテドラルのような巨大な図書館で、おおぜいの人が本を黙読しています。その巨大な書架のてっぺんに腰掛けている天使だけに聞こえる黙読の「声」。その声が、ワーン、と反響していく音響設計に心を奪われたのです。

サントラの後半にはニック・ケイヴやローリー・アンダーソンなど、当時先鋭的だった音楽がたくさん入っていて、ヴェンダースの音楽好きが伺える一枚でもあるのですが(これは、『夢の果てまでも』のサントラでも思いましたが)、今聞くと、前半の迫力に圧倒されます。
ベルリンの沈鬱な気分を描く、重苦しくて美しいチェロが全編に渡って流れています。また、映画でも効果的に使われていた詩の朗読「子供が子供だった頃」も、低音好きにはたまらない心地よい響きです。

あいかわらずまとまりませんが、低い音好きな方にお勧めのサントラということで、今日は書いて見ました。

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