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2008年7月

2008年7月26日 (土)

かじきが釣れた

以前、ここで原田郁子さんの「かじき釣り」という歌の歌詞は面白い、という話を書きました。

きのう、新潮文庫の「いしいしんじのごはん日記2」を読んでいたら、いしいさんは原田さんと知り合いで、そして「かじき釣り」の作詞をしたと書いてあるではありませんか。


なるほどね。


クセのあるキャラクターの船長さんが登場したり、わかりやすいけど意外なストーリー展開など、たしかに「いしい的」な詞なのですが、全然気づいていませんでした。


いしいしんじさんは、私の中では、宮沢賢治の流れを汲むディープな童話作家です。時に悲惨で、だいたい残酷で、いつも大きな救いがある物語。
『麦踏みクーツェ』とか、出たものはみんな追っかけていますが、がっかりしたことはありません。

この日記、小説のためにプラネタリウムの解説員や手品師の方たちに取材をしていたり、そのあともお付き合いを続けていることがわかったりして、小説を知っているととてもとても楽しめます。


さて、
来週はいよいよ引越し。またいつもの地方都市でのいつもの暮らしが始まります。

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額装の脅迫状

行ってきました、CDGHP。
Comme des Garcon Homme Plus の新シーズンはロンドンパンクの象徴的デザイナー、ジェイミー・リード(Jamie Reid)のグラフィックを多用しています。

ジェイミー・リードといえば、やっぱりセックス・ピストルズのジャケットでしょう。
ヴィクトリア女王の写真や、活字をコラージュして、一種「脅迫状」のような独特の世界です。

ほとんどの服に大きなタグが背中や胸に貼り付けてあって、保守的な私にはちょっと勇気がいるデザインでした。
ニットで、「当店、今週のみ万引き歓迎」という、挑発的なコメントが編みこんであるものがありました。陳列されていると面白い(んだけど、着用すると意味不明)。メッセージのありようはまさにパンク精神です。

でもモノとしての完成度は高くて、とても綺麗。額装された脅迫状のようでした。
ピン止めされた歴史の標本、、、、。そう思うと、ちょっと手放しで誉められないような、微妙な気持ちです。

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2008年7月11日 (金)

セディショナリーズ

今日、書店に並んでいるポパイを見たら、コムデギャルソンオムプリュスの特集がありました。

ジェイミー・リードと組んでの、ロンドンパンクの萌芽へのリスペクト。

とても冷静には見られませんでした。
私は音楽はピストルズよりPiL派のエセパンクなのですが、久しぶりにちょっとしびれました。

ノーマークだった自分を悔やみます。
明日、ショップに行ってきますが、実物はどんな感じなんだろう。

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2008年7月 4日 (金)

バブリー!(または、サービス業としての美術館)

森美術館に行ってきました。

ターナー賞受賞者の展覧会です。美術館的には、デミアン・ハーストの、例の「牛」が展示の目玉だったようでした。
デミアンの作品は、二つに切断したホルマリン漬けの牛を展示するというショッキングなものです。ヨーロッパにはもともと、絵画の中に髑髏を描いて、メメントモリ(死を想え)と称してきた伝統もあるわけで、そういう意味ではこの作品はヨーロッパデカダンスの正当な流れを継承しているとも言えるかもしれません。
二つに割られた牛の間を通れるというギミックもあって、これは「死の影の谷」かな?死の影の谷を歩むとも、我恐れず、って、聖書にありましたね。

でもなあ。

いや、デミアンの作品自体はすごいと思うのですが、あまりにもリクツにかないすぎているところが気に入らなかったりするのです。(デミアンの最近の有名作、本物の頭蓋骨から型を起こし、それにダイヤをびっしり貼り付けたピカピカドクロは残念ながら展示されていませんでしたが、これも、超わかりやすいメメント・モリですよね。)

これは余談ですが、この作品を日本に持ち込むということは、牛の死体を搬入する事になるわけで、検疫で大変だったというエピソードもよく自慢げに語られます。が、これはいい宣伝になるぞ、というバブリーな計算の匂いがプンプンで、好きになれません。
私見ですが、ターナー賞の受賞ポイントは、作品自体の強さよりも、コンセプトの強度によるようです。毎年テレビに授賞式が紹介されるというのも、コンセプト重視の傾向をあおっているんでしょうね。作品の強さもさることながら、やはりコンセプトの強さに脳がぴくぴくする展覧会でした。

さて、それはさておき。
あまりこんなことを言っている人もいないでしょうが、森美術館の特徴は、展示作品が少ないことに尽きます。

これは、悪い意味で「電通的」なことなのですが、この美術展に来た客は、作品数に圧倒されることもなく、それぞれの意味づけも判りつつ、後でみんなに自慢しながら語れるという展示になっています。

・・・・・・・「見たよ、牛を二つに切ったやつ。なかなかの作品だったな。あれはね、現代的な「死を想え メメント・モリ」なんだよ。」・・・・

要するに、作品に圧倒されたり言葉を失うことは、「森美術館」ではありえない。1500円なりを払って、払ったぶんはキッチリ判る。そして、判ったことを誰かに(自慢げに)語れることで入場料分の満足を得るという展示なんですね。ちょっと意地悪な見方かな???誉め半分、けなし半分で「サービス業としての美術館」といえるでしょう。


で、いちばんのおすすめは、展示の「オマケ」的な位置づけの、サスキア・オルドウォーバースだったりします。(ターナー賞とは無関係なんですが、ターナー賞の入場チケットを買わないと見られません。)

これ、一見CGにも見えますが、実はミニチュアのセットを作り撮影したものだそうです。そう言われてもどうやって撮影したのか謎。でも、これは必見です。
森美術館では、ターナー賞の展示の流れで、タダで大スクリーンで見ることができます。と言いつつ、展示は7月13日まで。今さらすみませんが、急いで見てもらいたい展覧会です。

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2008年7月 3日 (木)

てのひらの魔術

もう、今書かないと忘れちゃう!という危機感に背中を押されています。かなり過去のことになってきました、5月上旬のニューヨーク行き。

ちょっと前、ニューヨークのSOB’Sというバー・ライブハウスを訪れたことを書きました。

ここでのお話の続きです。
実は、この日の2時間ほど前にはマンデイ満ちるさんのライブがあったのですが、それは仕事のせいでパス。そのライブの後、NYサルサの歴史を作ったファニアレーベルの再発がらみで、記念イベントがあったのでいってみました。


客席にはすごくセクシーなダンスをする女性一人を、みんながうっとりしつつ、踊りつつみてたりして。Dsc00486

Dsc00483


ライブは、ボビートという若い詩人の司会で、地元の「イレアイレ」というパーカッション主体のバンドの生演奏をはさんだりして、ものすごかったです。
Dsc00484

写真の真ん中の男性がボビート。歌もほかの人と比べれば(まあ詩人ですから)普通だし、踊りもすごく上手ではないんですが、あまり体を揺らさず、でも両手を前後に振りながらビートを感じている様子がものすごくセクシーで、サルサでした。

彼の手つきを見たら、昔、沖縄の島での宴会に参加したときのことを思い出しました。
砂浜にござをひき、横長のテーブルを並べただけの席でみんなが酒盛りをしていると
誰かが三線を引き出し、歌がはじまり、踊り出す人が出てくる。場が高まってきたころ、ほんとうに年取ったおばあが、娘に手を引かれて椅子に座り、楽しそうに私たちの様子をみていました。おばあは、たぶんあんまり体は動かせないんだけど、手を胸の前まで上げて、指は軽く握ったこぶしのようにして、動かすのは手首だけだったんだけど、その動きがすごくグルーヴィーだったのです。血の中に流れている音楽に体を任せる感じ。
そんな踊りをみていると、うっとりしてしまいます。

そして、この夜は、まさにボビートのちょっとした動きに釘付けでした。

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2008年7月 2日 (水)

ローフード?

ニューヨークの話を忘れないうちに。とは言ってもかなり忘れているんですが、、、、、。

向こうで流行っているレストラン、ということで、ローフード(raw food)レストランに行ったときのこと。
「ピュア・フード・アンド・ワイン(Pure Food & Wine)」というお店です。

Pure Food and Wine.
54 Irving Place, New York, NY 10003

ローフードというのは、48度以上に温度を上げないで、食材の中の酵素を壊さない健康食(というコンセプト)の料理。
つまり、熱々のものは原理的にありえません。あとで調べたら、雑誌やテレビにも出ているカリスマ女性シェフSarmaさんのお店らしい。

私がトライしたのは「ナポレオン」という、ズッキーニなどの野菜を薄切りにして、円柱状にまとめたもの。そして、アボガド+カシューナッツ+サワークリームのトルティーヤでした。
ナポレオン、ほとんど(全て?)野菜。トマトとバジルの香りでまとめてあって、若い白ワインに合う味でした。
トルティーヤはよくメキシコ料理に出てくるやつで、とうもろこし(?)粉を円盤状に固めたものに、アボガドなどを細かく切ってサワークリームでまとめたものがアイスクリーム状に盛り付けてあります。これを自分でディッピングして食べるというもの。
お店は真っ暗だったのと、まったりした気分だったのでとても写真を撮ろうという気になれませんでした。

料理は、「おもしろいけど、ふーんこんなもんかあ」という感じ。おいしいんですが、メニューを見たり、他のカウンターの方の料理を見ても、バリエーションが足りない感じ。でも、盛り付けがすごくきれいだったのと、店の雰囲気のよさにはとても感心しました。
カウンターに座って大正解でした。
ソムリエ?のジョーイさんが、回りに満遍なく目配りしながらいろいろなオーガニックワインのうんちくを教えてくれたり、「そういうワインが好きなら、いいのがある。これは1人分ないから、サービスだよ」と、ワインを注いでくれて、でも、注ぐとグラスに半分以上あったり、と至れり尽くせり。そういえば、NYでは日本の大吟醸も流行っているんだよ、と教えてくれました。確かに、冷やした大吟醸なんかにはあいそうな料理ばかりでした。
(厳密には、日本酒は、お米を蒸してから発酵させるので、ローフードとはいえないかもしれない。)

たぶんモデルさんらしき女性がたまたま隣に座って、いろいろ話しているうちに、「私はここの常連だから、メニューにないけど、アレをもらうの。ねえジョーイ、スプーンを二つちょうだい」と、非常にこってりしたチョコレートケーキを勧められました。一口だけ食べたので最高においしかったけど、彼女の前に盛られたのは、結構な分量でした。うーん、なのにあんなにスリムなのは凄い。


また、Pure Food and Wine の接客のよさに惹かれてか、すごくフレンドリーな人があつまるようで、「俺、日本で有名な作家の○○さんを知っているんだ。彼の娘は、俺の前妻(EX-wife)だったんだよ。彼女と別れた訳はね、、、」と、面白いんだけど深すぎる思い出話をしてくれたり、また別の常連は「ああ、あなたは日本人が来るとその話ね」といなしたり。

店は薄暗くてかなりオシャレな感じだったので、入るときはドキドキでしたが、すごく居心地がよくて。結局2時間ほどはいたようです。

今日はほんとに思い出話だけでしたね。
ひねりがなくてすみません。

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